アルキメデスの円周率近似の数学的解説

アルキメデスの「円の計測」の命題3は『全ての円の円周はその直径の3倍に、その直径の1/7より小さくて、10/71より大きい超過分を加えたものである。』である。これはいわゆる、を示すものです。この結果は、

1
辺が1の正6角形から始めて、正96角形の辺の総和からπの近似値を計算したものです。以下で「円の計測」による証明方法を示します。ただし、外接n角形で近似した円周率を、内接正n角形で近似した円周率をとします。 

<内接正多角形>
Javaをインタラクティブ作図用に使えるようにしてください。

 CBを直径とすると、∠ACB=30°である。より、である。よって、が分かればよい。はじめに内接正6角形を考える。、また、△CA12Bと

 

△BA12Dは相似より得たCA12B12=(C+CB):Bを利用してを求める。を用いて、ピタゴラスの定理よりを求める。同様にが随時導ける。この値より

 

求まる。これらを漸化式にしてみる。BC=1,内接正6×2n多角形の一辺をxn, ,内接 正6×2n多角形の一辺を xn+1とおくと、以下のように書き直せる。

 

 

ここで

 

 

 

より、

 

 

 

となるので、

 







<外接正多角形>
Javaをインタラクティブ作図用に使えるようにしてください。

 

 OBを半径とし、添え字を角数とすると、より、である。よってが分かればよい。はじめに外接6角形を考える。、また、角の2等分線の辺の比

を利用して、

 を導く。同様に、

 

導ける。この値からが求められる。これらを漸化式にしてみる。BO=1,外接正6×2n多角形の一辺をxn, ,外接 正6×2n多角形の一辺を xn+1とおくと、以下のように書き直せる。

 

 

ここで

 


より

 

 




For Allプロジェクト/数学史の授業例:

円周率の近似に関する授業研究

 

 



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