(解説)この10を1/10にせよ。すると1になろう。それから10を引くと残りは9である。その2/3は6である。その6をそれに加えると合計は15になる。その1/3は5であある。この5こそ引かれた数である。残りは10である。このような手順による。
最初、著者は次のようにして問題を解いたと思われる。ある量を9と仮定せよ。
/1 9
/2/3 6
合計 15
1 15
2/3 5
残り 10
10に掛けて10が得られる数を9に掛ければ、求める量が出るから、9を1倍して得た9が求める量となる。しかし、ここまできたところで、著者が9は10から1/10を引いて得られると気が付いたため、パピルスのような書き方になったのだろう。
解法は完結していないように見える。このような手順による(文字通り訳せば「なるように行うこと」)という文は、普通、計算の最初に現れ、他のどんな問題でも解法の最後に来ることはない。Peet(p63)は、書記が筆写をしているときに、この文まで写してきて、うっかりと、次の問題の同じ文に目を移してしまったのだろうと言っている。そこで、次の問題の書き出しと解法の最初の部分が欠落したと言うのである。同じような欠落は問題70にも見られる。